特集:安心院の町とグリーンツーリズム | 農業経営のための農業の学校【日本農業経営大学校】

特集:安心院の町とグリーンツーリズム

安心院の町とグリーンツーリズム

安心院の町とグリーンツーリズム

☆★前回までのあらすじ★☆

萌・由佳・つむぎの3人は、日々の仕事の疲れをいやすため、グリーンツーリズムで有名な大分県宇佐市安心院町(あじむちょう)を訪れています。

築120年の家屋と囲炉裏が自慢の「舟板昔ばなしの家」に宿泊し、この家を切り盛りしている中山ミヤ子さんに教わりながら、かまどの火おこしやお釜での炊飯を体験したり、安心院ならではの郷土料理を堪能したりと、農泊(農村民泊)を楽しみました。

一夜明けた今日は、安心院の顔として活躍している、とある女性に会いに行くことに・・・。

グリーンツーリズムとは
農漁村地域において自然や人々との交流を楽しみ、農家のくらしを体験できる、滞在型の余暇活動です。 ヨーロッパで発祥したグリーンツーリズムは、新しい旅の形として全国から注目を浴びています。

―――――安心院で迎えた気持ちのいい朝。居間に集合する3人。

ミヤ子さん:
あら、おはようhare.gif

由佳:
おはようございまーすhana01.gif

ミヤ子さん:
よく眠れたかいhatena03.gif

萌:
グッスリでした♪
周りが静かで、久しぶりに『心から休めた~』って感じですheart09.gif

ミヤ子さん:
よかったよかった。
それじゃあちょっと早いけど、朝ごはんの準備をしようかね。

中山ミヤ子さん

「舟板昔ばなしの家」を1人で切り盛りする中山ミヤ子さんは、 農林漁家民宿おかあさん100選にも選出された、笑顔のステキなおばあちゃんです。

農作業体験-野菜の収穫-

ミヤ子さんの家の畑では、様々な種類の野菜を自給用に栽培しています。グリーンツーリズムで訪れた都会の人に喜んでもらうため、スーパーではあまり見かけない珍しい野菜も取り入れているそうです。

―――――3人は、朝ごはんの材料を採りに、ミヤ子さんの畑へ向かうことに。

ミヤ子さん:
ここがあたしがやってる畑じゃよfutaba.gif

由佳:
おぉー、いろんな野菜がありますね~spoon02.gif

ミヤ子さん:
どの季節でも野菜が収穫できるように、少しずつ、いろんな野菜を作るようにしてるからね。

こぶ高菜

由佳:
この葉っぱはなんでしょう??

ミヤ子さん:
それ、見たことない??
「こぶ高菜」っていうんじゃけどね。

由佳:
いやぁ~、見たことないですねぇhana-ani03.gif

ミヤ子さん:
はい、じゃあ食べてみてhare.gif

由佳:
え!?このままですか??

ミヤ子さん:
大丈夫。薬(農薬)使ってないから、そのままでも食べられるんじゃよ。

由佳:
なるほど・・・(パク)。

収穫したての「こぶ高菜」を、生でいただく

由佳:
ん、ちょっとピリっとしてて、おいしいーhana-ani01.gif
やわらかいから、そのままでもイケますねheart02.gif

つむぎ:
『採れたて』って、まさにこういうことですねbikkuri03.gif

芽キャベツ

つむぎ:
あれはなんだろう~~??はじめて見るkira01.gif

ミヤ子さん:
あれは芽キャベツだよ。
あの茎の部分についてる小さなキャベツみたいなのを食べるんじゃけど・・・。

萌:
ちっちゃくてカワイイーheart09.gif
スーパーで芽の部分だけ袋に入って売ってるの、見たことありるかもbikkuri03.gif

ミヤ子さん:
じゃあこれも採っていこうかねhare.gif

由佳:
あの!私がやってみていいですかhatena03.gif

ミヤ子さん:
ふふふ、もちろんheart01.gif

芽キャベツの収穫を体験少し力がいる

ミヤ子さん:
下の方に向かって、ポロっとやると、簡単じゃよ。

由佳:
んんー、意外に力がいりますね・・・あっkira01.gifとれたbikkuri04.gif

ミヤ子さん:
ん~、うまいうまいkira01.gif

萌:
確かにちょっと力がいるけど、慣れてくると楽しいかもheart09.gifハマりそうheart02.gif

つむぎ:
これが朝ご飯になると思うと、がんばれちゃいますよねー(笑)

―――――こうして、畑にある様々な野菜に触れた3人。

由佳:
いやぁ、いっぱいとれましたね~。
朝ごはんが楽しみですkira01.gif

萌:
いい汗かいたーって感じbikkuri01.gif

つむぎ:
安原さんそこまで動いてないじゃないですかーf01.gif
でもホント、風が気持ちいい~kira02.gif

収穫したばかりの芽キャベツやこぶ高菜が添えられている朝食。自分で収穫してきた野菜を食べると、「大地の恵みをいただいてる」ということが、よく実感できます。ちなみに芽キャベツは、普通のキャベツよりちょっと甘みがあり、ひと口で食べることができる大きさで、女性にもピッタリの野菜でした。

―――――朝食を終え、出発の時間に・・・。

萌:
ミヤ子さん、本当にお世話になりました。

由佳:
おにぎりおいしかったです~~bikkuri01.gif

つむぎ:
また遊びにきます~~bikkuri01.gif

ミヤ子さん:
はいはい、またいつでもいらっしゃいなheart01.gif

由佳:
なんだか寂しいですね・・・。

つむぎ:
ぜったいぜったい、また来ましょうbikkuri03.gif

萌:
じゃあさ、3人全員結婚したら、旦那も連れてまた来ようよ~♪

由佳:
は~い・・・(いつになるかな・・・)。

安心院グリーンツーリズム研究会の女性事務局長

―――――「舟板昔ばなしの家」を出発した3人は、大分に住んでいる萌の友人に会いにいくことに。

つむぎ:
「安心院グリーンツーリズム研究会」・・・。
安原さんのお友達がここにいるんですかー?

萌:
そっ!☆ 昔の友達がここで事務局長やってるんだよねhana-ani01.gif

つむぎ:
事務局長!?すごーいkira01.gif

萌:
今日は特別に安心院を案内してくれるって~♪
久しぶりに会うから楽しみ~heart02.gif

NPO法人安心院町グリーンツーリズム研究会とは

NPO法人安心院町グリーンツーリズム研究会(安心院グリーンツーリズム研究会)は、現在69軒の農家が会員となっており、地域内外へグリーンツーリズムを普及するための活動を行っています。

植田淳子さん

安心院グリーンツーリズム研究会の事務局長を務める植田淳子さん。事務局では、一般観光客や学校関係者などに農村民泊の案内をしたり、グリーンツーリズムの広報活動も行っているそうです。多忙な毎日を、持ち前の明るさで駆けぬけています。

萌:
淳ちゃーんbikkuri03.gif元気してたー??hana13.gif

植田さん:
萌~~heart06.gif久しぶり~~hana-ani03.gif
遠いところありがとね~heart02.gif

つむぎ:
はじめまして!

由佳:
萌さんの会社の後輩ですhare.gif
今日はよろしくおねがいします。

植田さん:
いつも萌がお世話になってますup.gif
よろしくね~heart09.gif

萌:
えー!?お世話されてるのアタシ!?heart03.gif

植田さん:
萌はわが道を行くタイプだから、後輩ちゃんたちが大変そう(笑)
じゃ、さっそく出発しよ~!

直売所「里の駅」

―――――植田さんの案内で最初に訪れたのは、直売所「里の駅」。

植田さん:
ここには地元の人が持ち寄った野菜や加工品が、いっぱい売られてるんだよねnabe.gif
関東の人から見たら、珍しいものもあるかもkira01.gif

つむぎ:
わーい、おみやげおみやげ~♪

萌:
やっぱ野菜が安いなぁhana07.gif
大きくてみずみずしいしkira02.gif

植田さん:
どれも地元の人が丹精込めて作ったものだからねhare.gif

つむぎ:
見たことない野菜もあるし、和菓子とか、鶏(かしわ)飯のお弁当もあるーkira01.gif

由佳:
この手作り感がいいですね~hana05.gif

植田淳子さんにインタビュー

この仕事に就いたきっかけは?

大学院生のときにグリーンツーリズムに興味を持って、研究活動の一環として安心院を訪れたんです。その時に安心院の「農泊」を実際に体験して、家族のように接してくれる農家の方々と出会って、『もっと安心院のことを知りたい!』って思いました。
でもその時はまだ、農村に関わる仕事がしたいなぁ・・・とイメージしてたくらいで、まさか本当に安心院で働けることになるとは思ってなかったです(笑)

植田さん:
私が最初に安心院にきたときは、まだ『グリーンツーリズム』が一般的じゃなくて、「グリーンツーリズムで来ました」っていうと、「え?!」っていう反応が多かったの(笑)。
今は、農泊をやってる農家がたくさんあるけど、そのころは8軒しかなかったしねashiato02.gif

由佳:
最初はごく一部の農家さんが、農泊をやってたんですね。

植田さん:
そうそう。でも町の人も、グリーンツーリズムに来た都会の人とふれ合う中で、『農家にとってはあたりまえのことでも、お客さんはそれを貴重な体験として、本当に喜んでくれるんだ』っていうことがわかって、だんだんグリーンツーリズムを受け入れてくれるようになったんだよねhare.gif


今では農村民泊の受け入れ先は69軒まで増え、これから農泊の受け入れを始めたいという農家も、どんどん増えているそうです。また、2005年に安心院町は宇佐郡院内町と合併し、漁村でも民泊の受け入れが可能になったことで、おもてなしのバリエーションが豊富になりました。

趣味はなんですか?

休みの日に別府まで温泉に入りにいくことです♪

萌:
温泉いいなぁーkira01.gif
あ、もしかして淳ちゃんのキレイな秘訣って、温泉?hana-ani03.gif

つむぎ:
でも忙しくてあんまり休みなさそうですよね~。
ストレスたまったりしないんですか??

植田さん:
ん~、ちょっとモヤモヤすることがあっても、おいしいご飯食べて、一晩寝れば忘れちゃうタイプかもte01.gif
あとは、農泊のおばあちゃんにグチを聞いてもらったり(笑)

萌:
そうやって話を聞いてくれる人がいると、ホント助かるよね~heart01.gif

つむぎ:
植田さんは、結婚とか興味ないんですかー??

植田さん:
それよく聞かれるんだけど・・・、農泊でおじいちゃんとばっかり喋ってるから、同年代の男性にあんまり魅力を感じないのかも(笑)
80歳くらいの人の方が、トキメいちゃうheart09.gif

由佳:
チョー年上好きですね!!

植田さん:
それに、今はまだ仕事でやりたいことがあるしねte01.gifkira01.gif

安心院をどんな町にしたいですか?

実はお客さんのうち3分の2が中学、高校の修学旅行生。若い人にも楽しんでもらえる、『第2のふるさと』になってほしいな。

植田さん:
今では九州~関西・東京まで、年間40以上の学校が、教育旅行として安心院に来てるんだよね。
グリーンツーリズムを始めてから、町で若い人の声をよく聞くようになったって、農家の人も喜んでるんだぁheart08.gif

つむぎ:
友達にグリーンツーリズムを紹介したいんですけど、若い人に向けたおすすめポイントってなんですか??

植田さん:
ん~、色々あるけど、とにかくご飯がおいしいことかなhana-ani01.gif
特別に豪華な素材じゃなくても、新鮮な野菜を使ったお鍋とか、お釜で炊いたご飯とか、作った人の「おもてなし」の心がこもってて、ホントにおいしいんだよねspoon02.gif

由佳:
わかります!!「舟板昔ばなしの家」でも、白いご飯がおいしすぎて、何度もおかわりしちゃいましたもんte02.gif

萌:
ゆかちん普段はそんなに食べるほうじゃないのに、昨日はかなり食べてたもんねhana08.gif

植田さん:
やっぱおいしいものをモリモリ食べると、元気出るよねbikkuri01.gif
安心院に来た人みんなに、元気になってほしいな。

地域との連携と課題

足を引っ張らずに、手を引っ張り合おう

萌:
グリーンツーリズムは安心院から日本全国に広がったんだよね。
安心院でグリーンツーリズムが成功した秘訣ってあるのかな?

植田さん:
それはやっぱり、個人の利益だけじゃなくて、町全体の発展を考えたからだと思うな。

安心院のグリーンツーリズムには「足を引っ張らずに、手を引っ張り合おう」というテーマがあります。これには、『個人の利益を求めて行動するのではなく、みんなで協力して、安心院全体をより良くしていこう』というメッセージが込められているそうです。

植田さん:
例えば、農家に宿泊するのが主流になると、地域のレストランや旅館はお客さんが来なくなって困っちゃうよね。
でも安心院の場合は、そういう地域の施設とうまく連携をとってるんだheart01.gif

安心院の農泊では、宿泊者は地域内にあるレストランや民宿旅館で夕食をとり、入浴の際には温泉を利用することを基本としています。こうすることで、農泊をしている農家だけではなく、地域全体が潤い、町の活性化につながります。

植田さん:
他にも、教育旅行生が安心院に来たときに、引率の先生には地域内の旅館に泊まってもらうようにしたり、
農泊で来たお客さんに、直売所でおみやげを買ってもらったり・・・。

つむぎ:
あたし達もさっき、直売所でお買いものしたよねhana-ani03.gif

植田さん:
そう、実は直売所って、グリーンツーリズムにとって重要なものの1つなの。


ヨーロッパのグリーンツーリズムは、直売と農村民泊を組み合わせた形で進められており、直売には農村民泊と同じくらいの価値があります。安心院町にも3つの直売所があるので、今後はこのような直売所と農村民泊を組み合わせて、グリーンツーリズムを振興していくことが課題となっています。

萌:
グリーンツーリズムを軸にして、町がどんどんにぎやかになっていくってことかhana13.gif

由佳:
これからの安心院の発展が楽しみですね。

植田さん:
そうだねkira01.gif気をつけなきゃいけないのは、現状に甘んじて、グリーンツーリズムの勉強をせずに農泊を始める人が出てきたら、農泊はいっきに衰退しちゃうと思う・・・。
そうならないように、農家さんにも講習会や研修に積極的に参加してもらって、農泊の質を高めていくこと。その情報を提供するのが、私たちの役目かなte03.gifkira01.gif

安心院グリーンツーリズム研究会の取り組み

安心院グリーンツーリズム研究会では、農泊や教育旅行の受け入れ手続きの他に、グリーンツーリズムを普及させるため、また農泊の質を高めるために、以下のような活動を行っています。

hana07.gifグリーンツーリズム実践大学
グリーンツーリズムの担い手育成と、地域へのグリーンツーリズムの普及を目的に設立されました。食と農泊、そして安心院町グリーンツーリズム研究会の様々な専門活動を大学の主な柱とし、食やグリーンツーリズムの分野における一流の講師と地元の実践者を迎え、体験をもって学ぶ場としています。
hana07.gifヨーロッパ研修
【農泊】【農家レストラン】をメインとしたグリーンツーリズムの実施が当たり前となっているヨーロッパ(特にドイツ)を視察します。
hana07.gifその他
「スローフードフェア」や「マイ米物語」など、自然や農業、食育に関わる様々なイベントを開催しています。また、農泊に関する各種書籍の発行も行っています。

終わりに・・・

由佳:
いやぁ、今日もたくさんレアな経験しちゃいましたkira02.gif収穫したばかりの野菜をその場で食べるなんて、なかなかできないですよねhare.gif今まで畑仕事なんてしたことなかったけど、野菜の収穫体験はすっごく楽しかったなhana-ani01.gif

それにしても、安心院グリーンツーリズム研究会の事務局長さんが、あんなに若くてキレイな人だなんてビックリしたbikkuri04.gif植田さんはすごく明るくて優しいし、安心院のことが本当に大好きだから、農家の人に人気な理由(ワケ)がわかりますheart01.gif

由佳:
次はどんな新しい出会いがあるのかな・・・?
それでは皆さん、また次回heart08.gif

―――――まだまだ続く安心院散策。次回は萌も大好きな、大分の特産品が登場・・・To be continued…

関連サイト

特集
グリーンツーリズム
有機農業について