特集:ブドウ畑とグリーンツーリズムのこれから | 農業経営のための農業の学校【日本農業経営大学校】

特集:ブドウ畑とグリーンツーリズムのこれから

ブドウ畑とグリーンツーリズムのこれから

ブドウ畑とグリーンツーリズムのこれから

安心院の名産品といえば、良質なブドウから造られる香り豊かなワイン!!ワインの製造過程が間近で見れて、しかも試飲もできちゃう♪そんな安心院のワインですが、実はグリーンツーリズムと密接な関係があったんです。癒しの大分旅行、いよいよ完結!

☆★前回までのあらすじ★☆
日々の仕事の疲れをいやすため、萌・由佳・つむぎの3人は、グリーンツーリズムで有名な大分県宇佐市安心院町(あじむちょう)を訪れています。1日目、農村の暮らしをありのまま体験する『農村民泊(=農泊)』をした3人は、農家のおばあちゃんの温かいおもてなしと、おいしいご飯に大満足!!。2日目は萌の昔からの友人である「植田淳子」さんに案内され、安心院観光を満喫中。。。今回は萌の大好きな「アレ」が登場します☆

グリーンツーリズムとは
農漁村地域において自然や人々との交流を楽しみ、農家のくらしを体験できる、滞在型の余暇活動です。 ヨーロッパで発祥したグリーンツーリズムは、新しい旅の形として全国から注目を浴びています。
NPO法人安心院グリーンツーリズム研究会 事務局長 植田淳子さん

―――――植田さんに案内してもらい、安心院観光中の3人。次の名所は??

つむぎ:
安心院っていろいろ見る場所があるんですね~♪
滝はすごかったし、直売所も楽しかったな~hana-ani01.gif

植田さん:
気に入ってもらえてよかったーhare.gif
そろそろ1回休憩する??

萌:
だね~hana08.gifお茶しよ、お茶coffe.gifheart02.gif

植田:
じゃあ、萌が喜びそうなカフェがあるから、そこ行こ~bikkuri03.gif

安心院葡萄酒工房

安心院葡萄酒工房は、杜の中のワイナリーをイメージした、ワインの醸造所、貯蔵庫、ブドウ畑、ショップなどがある施設です。製造工程やブドウ畑の見学はもちろん、ショッピングも楽しめます。


安心院は盆地で寒暖差が激しいため、良質のブドウを育てるのに最適で、西日本で最大のブドウ産地とも言われています。

萌:
葡萄酒工房かぁ、おもしろそ~osake.gifkira01.gif

植田さん:
ここの工房の中に、試飲もできるショップがあるんだよねkira02.gif

萌:
試飲!?!?kira01.gifkira01.gif

植田さん:
お酒に目がないのは、昔から変わってないなぁ・・・。

ワインショップ&チボンカフェ

萌:
わ~kira02.gifちょーオシャレじゃんosake.gifkira02.gif

由佳:
「ラグジュアリー」ってかんじですねkira01.gif

スタッフさん:
よかったらワインの試飲どうぞ~。
こちらのワインは、甘くて飲みやすいタイプです。

由佳:
あ、甘い系ですか~heart03.gif
あまり飲めないんですけど・・・ちょっとだけ・・・。

由佳:
あ、ほんとだ!甘いし、渋くないbikkuri03.gif

スタッフ:
飲みやすくて女性に人気なんですよ~。

植田さん:
みんなー!こっちこっち~hana-ani01.gif

ブランデーソフトクリーム

植田さん:
見てみてーkira01.gifブランデーアイスクリームsoft.gifkira01.gif
知るひとぞ知る、ここの人気商品なんだよねbikkuri03.gif

萌:
おいしそ~heart02.gifひとくちちょーだいkira01.gif

つむぎ:
おいしいです~~hare.gif
ブランデーの苦みが、ちょっと大人って感じですねte01.gifkira01.gif

植田さん:
でしょ~?hana-ani01.gifhana-ani01.gif

ワイン貯蔵庫

ワイン貯蔵庫の様子

ワイン貯蔵庫では、工房のスタッフさんが作業している様子を、間近で見ることができます。また、ヨーロッパのアンティークなワイン醸造機具やワイン造りの歴史がわかるパネル等の展示も行われています。

―――――貯蔵庫や醸造場など、安心院葡萄酒工房の中を見学してまわった植田さんと3人。

つむぎ:
ワイン作ってるとこなんてはじめて見ましたbikkuri01.gifkira01.gif

萌:
だよね~bikkuri03.gif昔のワイン造りの道具もおもしろかったしhare.gif
ってか、安心院ってこんなにワインが有名だったんだosake.gifheart02.gif

植田さん:
そう、もともと安心院にはブドウ畑がたくさんあったんだよねki.gif
安心院でグリーンツーリズムが始まったのも、実はそのあたりがきっかけとか。

萌:
??
ブドウ畑がグリーンツーリズムのきっかけって、どういうこと~?

植田さん:
私の知り合いでブドウ畑をやりながら、グリーンツーリズムをしている人がいるから、その人に聞いてみる?te02.gif

由佳:
いいんですかhatena04.gifkira01.gif

植田さん:
ええ、グリーンツーリズムのこと、もっと詳しくわかるかも♪heart08.gif

農村民泊カリスマのブドウ畑

つむぎ:
『王さまのぶどう』だって!

萌:
名前からしてすごそ~!kira01.gif

萌:
おいしそうなワインも売ってるしosake.gifkira02.gif

由佳:
ワインはさっきも買ったでしょkaminari.gif

植田さん:
王さまのブドウは、巨峰を使ったソフトクリームも有名なんだよねte03.gifhana-ani03.gif

つむぎ:
え~、食べてみたいheart02.gifheart02.gif

宮田さん:
はい、いらっしゃいませ。

植田さん:
あ、こんにちはheart09.gif

宮田静一さん

宮田さんは、家族で約3.5haのブドウ農園「王さまのぶどう」を経営しながら、NPO法人安心院町グリーンツーリズム研究会会長、大分県グリーンツーリズム研究会会長を務めています。国土交通省の観光カリスマ百選では、「農村民泊のさきがけのカリスマ」として選出され、グリーンツーリズム普及のための活動を、精力的に行っています。

―――――3人は、宮田さんにグリーンツーリズムについて聞くことに。

由佳:
よろしくお願いしますbikkuri01.gif

宮田さん:
はい、よろしくね。

植田さん:
この方が安心院グリーンツーリズム研究会の会長で、グリーンツーリズムを安心院・・・というか、日本に広めた第一人者なのte02.gif

萌:
研究会では、淳ちゃんの上司ってことか~hare.gif

植田さん:
上司というか、お父さんみたいな感覚もあるけどねusagi.gif

由佳:
さっきグリーンツーリズムとブドウ畑が関係あるかもって聞いたんですが、どんな関係があるんですか??

宮田さん:
それはね・・・、ブドウの灯を消すまいと考えた結果が、グリーンツーリズムだったんだよ。

宮田静一さんにインタビュー

安心院の農泊の歴史と想いが綴られた『しあわせ農泊』 宮田静一著

グリーンツーリズムをはじめたきっかけは?

過疎化により荒れてしまったブドウ畑、なんとかこの町を復活させたいと思って始めたのが、グリーンツーリズムです。

宮田さん:
かつてはブドウ畑で栄えていたこの町も、過疎化や高齢化が進み、荒れた土地が多くなってしまいました。
このままじゃダメだ、なにかできることはないか・・・?と考えた時に、これからは土からモノを作る農業だけでなく、別の方法で農村を活性化させる必要があると思ったんです。

農村だからできる新しいことにチャレンジするため、宮田さんは平成4年に農家を中心とした8名で「アグリツーリズム研究会」を発足。ヨーロッパに視察に行くなどして、グリーンツーリズムの勉強を重ねました。平成8年3月には、新たに「安心院町グリーンツーリズム研究会」を発足し、グリーンツーリズムを「まちづくり」の一環とし、安心院町全体を盛り上げるため、再スタートをきりました。

宮田さん:
最初にドイツに行った時はビックリしましたよ。
農村全体が活気づいていて、ゴミひとつ落ちていない美しさ、過疎という言葉とは無縁のように感じましたね。

植田さん:
ヨーロッパではグリーンツーリズムが普及してて、農業と観光(グリーンツーリズム)がうまく連携してるんです。

宮田さん:
でもやっぱり、最初からグリーンツーリズムがうまくいったわけではなくて、まず最初に法律の壁にぶつかりました。

由佳:
法律!?

農泊に立ちはだかる法律

『ありのままの農家に泊まって欲しい』・・・そう考えていた宮田さんの前に立ちはだかったのは多数の法律。例えば従来の「食品衛生法」では、お客さんに料理を提供する場合、専用の調理場を設置することが義務付けられていたり、「旅館業法」では、簡易宿泊所であっても、客室の述べ床面積は33平方メートル以上が必要と定められていました。

宮田さん:
農泊をやるために、大規模な家の改装が必要になってしまっては意味がないんです。

植田さん:
農泊の主役は、おばあちゃんたちだからねte03.gif

宮田さん:
最終的にはグリーンツーリズムの必要性が県に認められて、一般的な農家でも農泊を受け入れられるように法律の規制緩和が施行されたんだけど、そこまでの苦労は1時間じゃ語りきれないな(笑)

こうして宮田さんが仲間と共に実現させた「安心院式農村民泊」は、家を改装する必要がないことから、元手がかからず、倒産の心配もないので、歳をとってからでも始めることができます。その家の「自然体(ありのまま)」を感じてもらうことで、特別な体験をつけなくも農泊のお客さんは増え続けているそうです。

親戚の証

安心院の農泊には『1回泊まれば、遠い親戚、10回泊まれば、本当の親戚』というキャッチフレーズがあります。一般のお客さんのほとんどがリピーターになるという安心院の農泊の魅力は、農家のお母さんたちが、自然体で接してくれる、その温かさにあるのかもしれません。

植田さん:
もちろん、衛生上の問題が起きないように、農家の人には常に気を配ってもらってます。
そういう問題が1件でも起これば、安心院のグリーンツーリズムはダメになってしまう。農家の人はみんな、そういう意識を持ってやってるんだよね。


これからのグリーンツーリズムの課題を教えてください。

グリーンツーリズムを一般層に普及させるためには、バカンス法の制定が必要だと思います。

宮田さん:
ヨーロッパには、『働く人たちを2~3週間、強制力をもって有給休暇を取らせる』という「バカンス法」があります。人々はこの長期休みを使って、グリーンツーリズムを楽しみます。
今の日本にはこういう長期休暇がないから、大人がグリーンツーリズムに参加するのは難しいですね。

現在日本のグリーンツーリズムでは、教育旅行の中高生が主な客となっていて、一般客の割合はまだ少ないそうです。もしこれらの教育旅行の受け入れが止まれば、グリーンツーリズムは壊滅してしまう可能性もあります。

宮田さん:
グリーンツーリズムは、バカンス法があるからこそ、本当の意味で成り立ちます。
人々がバカンスにお金をかけることで観光地がよみがえり、経済が回り、新たな雇用も増えるんです。(※)

由佳:
一般の人がグリーンツーリズムを活用できるような体制を作ることが、重要なんですね。

(※もし有給休暇を完全消化し、連続2週間休むなら11兆円の新しい産業と130万人の新しい雇用が生まれる[2002年国土交通省等発表])

ブドウ畑の研修生

―――――3人が宮田さんの話に聞き入っていると、研修中の女性がやってきた。

松本さん:
こんにちはー。お茶、お持ちしました。

つむぎ:
こんにちはーhare.gif

植田さん:
あっ、松本さんっていって、今、宮田さんの家に泊まりこみで研修をされているんですheart08.gif

松本さん:
はい、お世話になってます。

由佳:
おぉ~、研修って、どんなことするんですか??

松本さん:
宮田さんの家では、農業の研修と農泊のお手伝い、両方させてもらってるんですが、今はひたすら大根の皮をむいたり、セロリを刻んだり・・・?
包丁の使いすぎで筋肉痛になることもあります(笑)

萌:
へぇ~けっこう大変なんだぁdown.gif

松本さん:
農業は肉体労働が多いですからねfutaba.gif
でも、慣れればどうにかなると思いますheart06.gif

宮田さん:
せっかくだから松本さんも一緒に話をしていけば?
この子たちと歳も近いだろうし。

松本さん:
じゃあ、せっかくなので・・・heart08.gif

松本幸子さんにインタビュー

農業に興味をもったきっかけは?

東日本大震災の影響を受けた故郷・福島で人と人をつなぐのは、やっぱり農業だなと思ったんです。

松本さん:
私、ちょっと前まで債券セールストレーダーの仕事をしてたんです。大学は法学部だったし、農業とはけっこう遠いところにいたんですよね。

由佳:
すごーーい!!

松本さん:
でも、東日本大震災が起こって、実家のある福島が大変なことになってしまって、その時に考えたんです。
福島を復興するには、やっぱり農業だ・・・って。

萌:
復興に、農業・・・?

松本さん:
いくら大きな工場とか施設が福島にきても、それが外からのものだったら撤退してしまったら終わりなんです。
福島が自力でできるのは「農業と観光」、それとうまく組み合わせたグリーンツーリズムを勉強しようと考えたんですよ。

松本幸子さん

松本さんの故郷は福島。東日本大震災で甚大な影響を受けてしまった福島が地元の力で復興するには、『農業と観光』これしかない。そう思った松本さんは、債券セールストレーダーの仕事を辞め、農場に泊まり込みで研修を受けるようになりました。

松本さん:
もともと実家が農家なんですが、農家って1軒だけでやるものじゃなくて、隣組とか親戚とか、地域の他の家と協力してやることが多いんです。
その中で人と人の深いつながりが生まれます。農業は、今は震災でバラバラになってしまった福島の人が、もう一度つながるキッカケになるんじゃないかって思います。

日本農業経営大学校

つむぎ:
しっかり自分の考えがあって尊敬しますbikkuri03.gif

萌:
松本さんは、宮田さんの家での研修が終わったらどうするの??

松本さん:
この春からは『日本農業経営大学校』に通う予定です♪

由佳:
日本農業経営大学校・・・・。
あ、この間行った「霜里農場」でその話、聞きませんでしたっけ?

萌:
あ、有機農業の!!

松本さん:
私も前に、霜里農場で研修したことがあるんですよ。

つむぎ:
そーなんですか!?

霜里農場とは
化学肥料や農薬に依存せず、身近な資源(自然エネルギー)を生かし、自立する農業を行っている。霜里農場経営者の金子美登(かねこ・よしのり)さんは、日本農業経営大学校の講師も勤めています。

松本さん:
私の場合は、その大学校のセミナーを受けて、それがおもしろくて決めたんです。
講師の方々がすごく魅力的でhare.gif

萌:
そこに通うと、農業をやるとしたら将来的にかなり役立つってことだよね?

松本さん:
そうですね。農業の知識や技術ももちろん学べるんですが、何より、研修がたくさんあって、農業界で人脈が広がるのが大きいかも・・・。

由佳:
人脈って、やっぱり農業界でも重要なんですね。

松本さん:
農業は人と人とのつながりがないとできないんです。
私はまだコネもツテもないので、入学したらその辺りを頑張りたいと思いますheart09.gif

萌:
その大学校って、東京にあるんだよねー??
ってことは松本さんも研修が終わったら東京に帰るんだー。

松本さん:
ですねhana-ani03.gif春からは寮生活です。

萌:
あ、じゃあさ~、メアド交換しておこうよbikkuri03.gif東京で何かあったら連絡して!引っ越しの手伝いとかもするし~。っていうか、普通に遊ぼうー☆

松本さん:
え!?じゃ、じゃあ、ぜひ・・・。

由佳:
(相変わらずフランク!kaminari.gif

安心院温泉

安心院温泉

―――――こうして安心院観光を終えた3人は、最後に温泉で大分の旅を締めくくることに。

萌:
はぁ~、広~いお風呂~くつろぐ~♪

つむぎ:
あーぁ、明日から仕事か~。東京に戻りたくないなぁ~。

由佳:
しばらくして都会に疲れたらまた、安心院にきてゆっくり休みましょうねhana07.gif

終わりに・・・

萌:
大分旅行楽しかった~!!heart02.gifキレイな空気と温泉の効果でお肌も調子いいし、おいしいワインも飲めてちょー幸せ・・・heart01.gif

都会でOLやってるアタシ達にとって、農業ってちょっと遠い存在に感じてたけど、グリーンツーリズムのおかげで、そうじゃないんだってことがわかった。本当はとっても身近で、なくてはならないものなんだよね。

松本さんはこれから『日本農業経営大学校』に通うって言ってたけど、どんなトコなんだろ??biru.gifまた会えたら嬉しいなhana-ani03.gif

関連サイト

特集
グリーンツーリズム
有機農業について